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葉っぱのように

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お気の毒大賞

先日、
バレエ『白鳥の湖』の黒鳥・オディールについて書きました。

ガラやコンクールなどであんなに踊られる、
つまり魅力的な踊り、つまり興味深いキャラクター、
のはずなのに!!
ラストシーンでは登場すらしないオディール。

オディールとオデットは一人二役なんだから、
白鳥・オデットと王子のクライマックスシーンに
登場できるわけないじゃーん!!
とも言えるんですが、でも、
オディールの見せ場、3幕のお城のシーンでは、
まさにオディールが踊ってる最中に
窓の外で悲しげに羽ばたくオデットが登場するんですよねえ。
ま、これはシルエットだから、別人が演じてるわけですが。

だったら、ラストシーンに、何らかの形で
オディールが登場したっていいんじゃ?と思うんですけど。
すっかり忘れられた存在…

というわけで、私の中では、
オディールは『白鳥の湖』の中の『お気の毒大賞』なんです。

ちなみに、私が好きなオディールは、
何と言ってもマリアネラ・ヌニェス!!
ありがちな、キッ!としたオディールじゃないのがいい!

王子の前ではレディで、父の前では違う顔で。
この幕だけで、2つの顔を見せてくれるのがまたすてき。




オディールに限らず、バレエって、冷静に考えたら、
あんまりだよなあって思うモノが結構あるんですよねえ。

ドン・キホーテの、
ドン・キホーテとサンチョ・パンサがからかわれるシーンとか、
コッペリアの、
コッペリウスがバカにされるシーンとか、
かわいそうすぎて時に涙が出るくらいですよ…。
心から「お気の毒様です…」と肩をぽんぽんしたくなります。

そんな数あるお気の毒様の中でも、
最もお気の毒、お気の毒大賞中のお気の毒大賞だと思うのが、
『ジゼル』のヒラリオンなんですよね…。

婚約者がいるってのに、身分まで偽って
村娘ジゼルちゃんをだまくらかしてるアルブレヒト。
騙されてるよ!ジゼル!目を覚ませ!僕は君が大好きなんだ!!
と、ひたすらあの手この手で訴えるヒラリオン。
アルブレヒトの嘘を暴いて、自らの真実の愛を…のはずが、
あまりのショックに命を落とすジゼル。
そして、自責の念にかられるヒラリオン。
恋しさと申し訳なさから、一人、ジゼルのお墓参りへ。
そこへヴィリ(精霊)たちが現れて、殺されてしまう…。
一方、同じくジゼルの墓を訪れたアルブレヒトは、
ジゼルの愛に守られて、命拾いする…ってー!!!

ちょっとー!どういうことー!?

子どもの頃から、この理不尽さに納得いかないんですよ!
ヴィリを踊った時も、ヒラリオンを殺すシーンは申し訳なくて…
だって、ミルタ(ヴィリの女王)様が殺せっていうんだもん!
逆らえないもん!と思いながらやってました…。

ヒラリオン殿、お気の毒大賞を謹呈致します。



マリアネラのミルタがこれまたコワイ。


ところで、こうしたバレエ作品、
フィギュアスケートでもよく曲が使われるだけに、
このバレエのこの役、フィギュアスケーターなら
誰が似合うかなー、とか想像するのがこれまた楽しくて。

ミルタ、鈴木明子さんが演じたらカッコいいだろうなー。
ホントはヴィリだって、
その下には大きな哀しみがあるんだし。
あっこちゃんなら、そこまで演じてくれそう。

ヒラリオンは…織田信成さん?
泣いていいよ!

そして、高橋大輔選手に演じてほしいとずっと思ってる役が…
ロットバルトとか、カラボスとか、悪役を、ぜひ!
むっちゃカッコいいと思うんですよねえ。
どんな解釈を見せてくれるのか、
というのが、何よりの興味ポイント!

そういえば、高橋選手、もう氷に乗って、
ショー用のプログラム作ってるとか!

楽しみだけど、無理はしないで欲しいです。
そして、長く滑り続けて欲しいです。
そしてそして、いつか、カラボスを!!

by atomsalada | 2014-04-12 21:27 | バレエ